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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

2023年の映画ベスト10

 

2023年のベスト10は、

①バービー 

②パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女

③別れる決心

④フェイブルマンズ

⑤ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

⑥ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー

⑦SHE SAID/シー・セッド その名を暴け

Blue Giant

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE

 

 今年は映画館で新作を79本、旧作を2本見た(⑨は二度鑑賞)。80本以上見られたのは初めてだった。①に関しては、ほとんど何も分からないまま見たので、初見時の衝撃は今でも忘れられない。社会批評性をしっかりと持った映画であるが、それと同時に本作はそもそも荒唐無稽なアメリカのコメディとして大いに楽しめる娯楽映画だというところが良かった。今年見た韓国映画としては例えば『非常宣言』のような航空パニックものから、『小説家の映画』のようなミニマムな作品まで、幅広い作品群に触れることができたが、その中でも、とりわけ絶妙な塩梅の②が印象に残った。③の骨子自体はノワール/メロドラマとしてもいわば王道であると言えるかもしれないが、スタイリッシュな演出と、2020年代のドラマとして身の回りの電子機器の使い方が極めて効果的だった。あと個人的には、本筋を駆動させるために登場する別の事件の顛末を、おかしみをもってソリッドに描く巧さにうならされた。

 今年はとにかく殺し屋映画が多かった感があるが(『ジョン・ウィック4』『ザ・キラー』『THE KILLER/暗殺者』『キル・ボクスン』『バレリーナ』など)、経済的な悩みを抱えるのは⑥の主人公2人だけだった。そんなお金のない二人に立ちはだかる敵は同世代の兄弟コンビで、彼らの社会的ステータスは主人公たちよりもさらに低い。本作はコメディでありながら、殺し屋の生活という非日常から、日本のリアルな日常が伝わってくる。もちろんアクションシーンが見どころの映画なのだが、こういった陰影のつけ方に他の類似する映画と異なる側面が見出せる。

 その反面、同じアクションものの⑩の本筋はほとんど意味を成していないし、イルサの扱いはどれだけの言い訳を重ねてもガサツだった。また、本編の長さはどうしても若干気になった。しかし、それでもCGに頼らないアクションに拘り続け、回を増すごとにスケールアップしていくところに何らかの希望を見出せずにはいられなかった。

 なお、次点は、『ソウルに帰る』『グランツーリスモ』『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』『オマージュ』『サーチ2』だった。正直なところ、例えば④が楽しめるかどうかは今までのスピルバーグ作品や彼の人生を知っているかどうかによって左右される側面があるし、⑦で言えばワインスタインを巡る一連の出来事、⑨で言えば今までのスパイダーマン作品の知識量によって随分見え方が変わってくるかと思う。その点、上の5作品はどれも単独の作品としてとても見応えがあった。

 また、配信で見た新作の中は、『ライ・レーン』『フェアプレー』『ボトムス ~最底で最強?な私たち~』『ソルトバーン』がとりわけ良かった。

 

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