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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

レノン作品『ハッピー・クリスマス』は反戦歌?副題も誤訳? 

『本当は怖いビートルズ』シリーズの番外編として、クリスマスソングの定番である、ジョン・レノンの『ハッピー・クリスマス』を取り上げる。

今回は、怖いというよりも、深いと表現する方が適切かもしれない。

 


John Lennon - Happy Xmas [War Is Over] Lyrics ...

未だに街中で聞くことも多少はあるかと思う。

 

ただ、幾多もあるクリスマスソングと異なり、同時にこの曲は、反戦ソングでもある。

副題は、War Is Over(戦争は終わった)とされている。ここまでくれば、裏(?)テーマは明白だが、厳密に言えば、「戦争は終わった」ではない。「戦争は終わる」がより近い。

 

以下の、一番からサビのところまでの歌詞に目を通して頂きたい。

So this is Xmas

クリスマスがやってきた

And what have you done

それで、今年君たちは何をしたんだい
Another year over

今年も終わり
And a new one just begun

新しい年が始まることになった
And so this is Xmas

そう、クリスマスがやってきた
I hope you have fun

楽しい時間になるといいね
The near and the dear one

近しき人、愛しい人も
The old and the young
お年寄りも若者も
A very Merry Xmas

メリークリスマス
And a happy New Year

そして良い新年を
Let's hope it's a good one

いい年になりますように
Without any fear

何事にも怖がる必要のない年になりますように

(訳:筆者)

 

fear(恐れ)とは何か?それはもちろん、戦争のことだろう。

 

そして、副題のWar is Overのフレーズは、コーラスの部分で聞ける。

"War is over, if you want it. War is over now" 

戦争は終わる、私たちが望むのであれば、という意なのだ。

 

ひとりでに終わるものではなく、我々の能動的な言動でもって初めて、戦争は終わり得る存在であると、レノンは主張しているように思える。

 

ちなみに、ポール・マッカートニーも、クリスマスソングをソロ時代に書いている(厳密にはウイングス時代か)。

こちらは、”ただ、素敵なクリスマスの時を過ごしているだけさ”と、能天気な楽しい曲になっているが。


Paul McCartney - Wonderful Christmas Time - YouTube

 
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