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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

2023-01-01から1年間の記事一覧

映画という光の魔法に魅せられて『エンドロールのつづき』(映画についての映画①)

ランキング参加中映画 映画愛に関する映画となると、郷愁的か湿っぽい映画になりがちだろう、とか『ニュー・シネマ・パラダイス』のような類の映画か、などと思ってしまうが、『エンドロールのつづき』はより根源的なレベルで映画という光の魔法に迫る良作だ…

2023年1月の3点 『非常宣言』『シー・セッド』『舞妓さんちのまかないさん』

今年も毎月、良かった作品を3本挙げることとします。 『非常宣言』(ハン・ジェリム監督) 下の記事に書いたこと以外を付言すると、foot chase(徒歩での追跡)から、自然にcar chaseに流れ込み、しかもその顛末を車内のワンショットで撮ってしまう辺りがなぜ…

在宅鑑賞日記③ アントマン3とお口直し映画

某日 『アントマン&ワスプ:クアントマニア』を昨日見た。評判の悪さほど悪くはなかったものの、やはりアントマンの面白いところは盗みの場面やその後のカーチェイスだと思うので、コミカルなケイパー/ハイスト映画が見たくなり、『いつもの見知らぬ男たち』…

『別れる決心』について考えるために --- 映画評論まとめ

ネット上で読めるものに限定して集めました。 bunshun.jp 星取り表、かなり高評価のようです。 my.ebook5.net 月永理絵の連載「映画にぶらぶら」(20ページ)にて評論があります。 www.asahi.com 同著者による朝日新聞の評論文。書き分けられた内容を読み比べ…

『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』アシスタントたちの上げた声

言わずと知れた『大統領の陰謀』(1976年) や、スピルバーグの秀作『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』(2018年)など、記者の奮闘を描いた映画は数あれど、今回の場合は『スポットライト 世紀のスクープ』(2015年)が近いのかもしれない。『SHE SAID』がフ…

在宅鑑賞日記②

X日 マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルより『ブートレッガー 密売人』(2021年)。当オンラインフェスティバルでようやく「当たり」の映画を見ることができた。難しい問題を扱っていながら、過剰なバイオレンスやサスペンスに傾倒することなく、異様な…

在宅鑑賞日記①

X日 昨年見損ねた新作を見ようと思い、まずデイビッド・O・ラッセルの久々の長編『アムステルダム』。あまり評判が良くなかった理由は分かるが、楽しめなくはなかった。豪華キャストだとは聞いていたので、次は誰が出てくるんだろう、とワクワクしながら前半…

『パーフェクト・ドライバー』カーアクションから離れるということ、そして小道具が機能しているということ 

一般的な意見ではないかもしれないが少なくとも自分にとって、21世紀の逃がし屋映画と言えばすぐに思い浮かぶのが『ドライブ』と『ベイビー・ドライバー』だ。1月に公開が始まった韓国映画『パーフェクト・ドライバー』を見ているとき、この2作が常に念頭に…

ドラマの中の映画(『キングスマン』in『イルタ・スキャンダル』)

『イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~』 現在Netflixで配信中の韓国ドラマで、「高い人気を誇る数学講師の講義を受けたいという娘のため、し烈を極める私教育の世界に飛び込んだ愛情深い母親」(Netflix公式)を主人公とするラブコメ。その講師の講義…

71-5【MOVIE CYPHER10「すずめの戸締まり」大百科】 ●MC:柳下毅一郎 x 三留まゆみ x 高橋ヨシキ

music.amazon.co.jp 評判の邦画の筋を、柳下毅一郎と三留まゆみが丁寧に説明しようとするが、あまりにも荒唐無稽な話の設定や、論理的に説明しようがない展開に高橋ヨシキに困惑するというのがとても可笑しい。

『非常宣言』娯楽大作として確かな出来のパニック映画

新年早々ものすごいパニック映画を見ることができた。 本作でソン・ガンホとイ・ビョンホンが地上と空中で死闘するのは、飛行機という逃げ場のない閉鎖空間で起こるバイオテロだ。機内にばらまかれたウイルスは、空気感染するもので、感染後速やかに死をもた…