[PR]カウンター

アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

在宅鑑賞日記②

X日 マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルより『ブートレッガー 密売人』(2021年)。当オンラインフェスティバルでようやく「当たり」の映画を見ることができた。難しい問題を扱っていながら、過剰なバイオレンスやサスペンスに傾倒することなく、異様な緊張感を醸成するショットの数々に引き込まれた。

X日 最近『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』(2015年)を少しずつ見返していたのだが、ようやく全編見終えた。イモータン・ジョーの荒唐無稽な手下たちが次から次へと出てくる。前日譚の"Furiosa"が現時点で撮影を終えたようだが、フュリオサは小さいときに拉致され、過去に何度も逃亡を試みた、と話しているところから推察するに、次回作はより厳しい内容になりそうな気がする。

X日 先日見終えたネットフリックスの『舞妓さんちのまかないさん』(2023年)について改めて考えていた。主人公はもちろんのこと、脇役もハマり役のドラマで、芸を極め、舞妓として生きていくことの大変さを見せつつも、同じ屋根の下で暮らす者同士が築いていく関係のしなやかな強さのようなものも見せてくれる良作だと思った。もちろん、主人公は「まかないさん」であるのだから、奇をてらわないグルメものとしても楽しんだ。

 そういった全体のテーマとは一見異質な要素が盛り込まれていて、それはジョージ・A・ロメロのゾンビである。名実ともにトップの舞妓である百子が恋人を誘って、ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のリバイバル上映を見ている。百子を演じたのが橋本愛だということを考えると、どうしても『桐島、部活やめるってよ』で橋本愛が『鉄男』を一人見ていたことや、そこから敷衍してその映画の主人公がゾンビ映画を撮ろうとしていたことについて思い出さずにはいられない。

 このロメロオマージュ、ここで終わりかと思いきや、百子の部屋にはちゃんと額縁入りの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のポスターが飾ってある。そして、このシリーズの最後から二話目にあたる第8話で、百子の脚本及び演出による「マイコ・オブ・ザ・リビングデッド」を皆が演じることとなっており、オリジナルの要素として、実写ドラマでしかできえないことに挑戦している製作陣の気概が垣間見える。