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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

『スクリーム』 (2022) 2020年代に世に問うメタ・ホラー

 
 『スクリーム』(2022)を先日見た。日本では劇場公開されず、DVDスルーされた作品である。

 

 

 本作は、シリーズ第一作の『スクリーム』(1996年)と同題であるため、そのリブートやリメイクかと思っていたが、実のところ、続編である(したがって、『スクリーム5』と呼んでしまうのが本当はわかりやすい)。
 ホラーあるあるはもちろん、昨今のホラーのリブート、リメイク、続編問題、ないしファンダムの問題にも切り込んだ意欲作として仕上がっている。とても面白かった。
 そもそも一連の「スクリーム」シリーズは、自己言及性を前面に押し出すことで、メタ・ホラーを確立させ、スラッシャーものを復活させたフランチャイズなので、その精神を継承するとなると、少なくとも3重のメタ構造はある映画にならざるをえないところがあって、それゆえ話を追っていくのが時折必要以上に複雑になるものの、twittertiktokの一見冗談なのか大真面目なのか判別のつかないメタ言説がネット上であふれる現状なので、それくらいのリテラシーは求められている時代なのかもしれない。