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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

リコリス・ピザ PTAの描く1970年代のLA

 リチャード・リンクレイターの描く60年代のテキサスでは、主人公の周りにいたのはNASAで勤める人たちばかりであったように(『アポロ10号 1/2』)、今回ポール・トーマス・アンダーソンの描く70年代のカリフォルニアでは、映画業界の人間ばかりが出てくる。この映画の魅力はこの一点に尽きると思う。個人的にはファミリー映画のスターなのに暴言を吐きまくる役者、日本語もろくに分からないくせに妻が日本人のレストラン経営者、危うさが隠せないジャック・ホールデン監督や、本作最大のモンスターとも言えるジョン・ピーターズなど、アクの強すぎる脇役たちが動き回るのを見ているだけで十分楽しめる。