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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

search/#サーチ2 前作から進化したPCスリラー

(核心的なところに本当に触れているので未見の方はご注意ください)


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 父親をすでに亡くしている娘が、

関係性が希薄になりつつある母親をPC画面上で必死に探すネット・スリラーであるという設定は、前作のそれ(妻を亡くした父親が娘を探す)を反転させていることは冒頭から分かる。
 しかし、前作の関係性から話の展開を予想しようとすると、それがことごとく外されていくところが面白いと思った。例えば、前作のどんでん返しであったように、親身に対応してくれる女性が怪しいかと違うし、死んだと思っていた父親が本作の本当の悪役という展開は意外だった(というか話が二転三転するのを追うのに必死で先の展開を読む暇がない)。後者の場合は突然の鼻血→末期がんの判明による死という、フィクションにおいて安直に描かれがちな、病による死というクリシェを上手く転倒させているように思えた。
 あと、キャスティングも前作と同様、いわばカラーブラインド的なところがあって、つまり登場人物が人種を特定しない一般的な設定が与えられているといって、じゃあ全部白人の役者に、とはなっていないところはちゃんと継承されている(やはり前作を撮った監督がインド系アメリカ人なのはあると思う)。主人公は白人の父と黒人の母を持つバイレイシャルのティーンで、今現在のボーイフレンドは中国系。親友はインド系で、FBIの捜査官は韓国系。あとコロンビアが第二の舞台なので、南米のおじさんも出てくる(あれだけ英語しゃべれてるのに、"peace!"だけ分からないのとかちょっと無理があるのでは?)。
 そしてやっぱりカメラの動きのない、硬直的な画面を避けるためにあの手この手を尽くしていて、その工夫の面白さも映画館の大画面だからこそ味わえた。