『先生、私の隣に座っていただけませんか?』
今月はオリジナル脚本3本の映画を選んだ。
『先生、私の隣に座っていただけませんか?』で、やはり2時間以内で初めて出会う登場人物たちの人生に入り込んで、ともに泣き、笑い、気づけば現実の世界に自分だけ戻ってきてしまった、と少し寂しくなるのが理想の形なんだなとつくづく思う。
『サマーフィルムにのって』
この映画に関する記事も準備中だが、97分で軽やかにおもちゃ箱のような物語を見せてくれた。『ドライブ・マイ・カー』といい、上記の作品といい、本作といい、作品制作を描く映画にとにかく弱い。
『レミニセンス』
クリストファー&ジョナサン・ノーラン兄弟と結び付けて本作を打ち出したいという意図は理解できるものの、脚本も手掛けているリサ・ジョイ監督(夫がジョナサン・ノーラン)の当作は、気候変動により街々が水に浸かってしまった近未来のアメリカを舞台に、1940年代のノワール的な物語を再現しようとする映画だった。2020年代に語り直されるノワールを今現在の映画館で新作として見られることはいつでも大歓迎だ。