『ソルジャー・ボーイ』を観た。72年のアメリカ映画だ。まだ当時ベトナム戦争は終わっていなかった。そんな時期に撮られた、青春を戦争に奪われ、殺人マシンとなってアメリカ本土に戻ってきた”ソルジャー・ボーイ”たちのたどる末路とは。
GEOでレンタルしたのだが、青春映画のカテゴリ下にあった。これも間違いではないが、個人的には<ロード・ムービー+戦争映画>の形式を取っている映画だと思っている。行き場所を失った若者たちのたどる運命やいかに。
(ここからはネタばれ)
・皮肉なもので、唯一の「希望」であった牧場は、実は亡き父親のかなわぬ「夢」であり、彼らの希望が完全に砕け散るのがHopeという行き場のないような小さな町。
・もう一つ皮肉なのは、彼ら4人は、自らの同志あるいは自分たちを殺人マシンへと変えた米軍そのものによって葬り去られる。
・人口81人という小さな町で繰り広げられる戦闘は、まさにベトナム戦争そのもの。しかし、舞台はアメリカ本土なのだ。場所を非-戦場に据えることで、異化作用の効果として戦争の愚かさや不条理性が浮かび上がってくる。
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