今やドラマでも映画でも大活躍中のエリザベス・モスの出演作よりとりわけおすすめしたい3本を選んでみました。
関係が悪化中の夫婦がセラピーとして向かった先にいたのは「わ、わたしたち?」という、今思うとジョーダン・ピール監督作Usを思わせる作品だが、むしろチャーリー・カウフマンによる脚本のような映画を見たくてたまらない人におすすめしたい。エリザベス・モスの一人二役?の演技が冴えわたっている。
『透明人間(The Invisible Man)』 (2020) (『透明人間』がいいです)
5月からの延期が終わり、現在ではまだ劇場で見られる新作映画。「劇団ひとり」エリザベス・モスが、自分を狂人扱いする狂った世界で奮闘する。本作を観た人は、このシンプルな邦訳に納得がいくはず。
『Her Smell』(2019) (『ハースメル』)
日本でほとんど紹介されないアメリカの注目監督アレックス・ロス・ペリー(例えば『USムービー・ホットサンド』の紹介・評論はとても参考になります)による最新作。これほどエリザベス・ロスの真骨頂を存分に引き出した映画はなかなかないのではないか。とにかく自暴自棄で他人にも迷惑ばかりかける荒くれロックンローラーとして優雅に暴言を吐きまくるのがたまらない。
単に4文字言葉を連呼するのではなく、頭韻を踏ませて変なキャッチフレーズを即座に作ったり、妙な隠喩をいとも簡単に続けたりと、皮肉、嘲笑、罵倒その全てがとにかく「芝居じみて」おり、詩的で、とても素晴らしい。後半の静かな「祭りの後」の展開も見ごたえ十分。
(9/25更新)なんと本日から日本でもイオンシネマを中心に公開。