新刊からは『避けられた戦争』(ちくま新書、2020年) を通読。1920年代から日中戦争までの日本の行動を分析している。著者の専門は日米関係史であるからか、第3章「米国の日米移民排斥と反米感情の噴出」の内容がとりわけ印象に残った。タイトルの内容説明としては、一旦エピローグを通して先に読んでおくとわかりやすい。帯には「こうすれば日本の運命は変わっていた」とあるが、エピローグ以外の部分は、「このように日本の末路は形作られていった」といった趣旨の箇所であって、「たられば」をひたすら想像するような本ではない。
映画でいえば、『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』が去年話題になったなと思い、劇場版(112分のバージョン)を見てみた。
また、(TBSラジオの、ウィークエンド・シャッフルないしアフター6・ジャンクションリスナーならおなじみの三宅陵太氏が2019年ベストに入れていた)『タンク・ソルジャー 重戦車KV-1』も観た。
どちらもシンプルなロシア側の戦争アクションで、後者の方が前者より若干ドライな感じだ。もちろんこの2作は戦争に関して深い気づきを与えてくれるようなものというよりは、やはり分かりやすい歴史活劇であって、去年読んだ『独ソ戦』で描かれるような悲惨さはほとんどない。