クリス・プラットに抵抗感があったり*1、ジェームズ・ガン作品はマーベルよりもDCの方が好きな立場として、見に行く気が当初あまり起きなかったのだが、大変満足できる完結編だった。
銀河のはぐれ者たちのファイナル・マッチを描く三部作の最終作で、主人公ピーター・クイルは恋人のガモーラを「失ってしまった」(生きてはいるのだが、数年の記憶がなくなっている)悲しみに暮れているところ、謎の男に襲撃されて相棒のロケット・ラクーンが重傷を負ってしまう。治療するにも、彼の体の中にはキル・スイッチが埋め込まれている。それを制御するパス・キーがないと彼は死んでしまう。彼を救うためチームはキーを奪還するための旅に出ることと並行して、意識のないロケットの過去がフラッシュバックで描かれていく。
ロケットが、レディオヘッド「クリープ」のアコースティックバージョンを聞いている冒頭で、本作の主人公はクイルというよりもロケットであることが明示されているだけでなく、この映画は今までの2作とは異なり、相当ダークな展開を見せうることも伺わせる。その不穏な要素はたしかに当たっていたのだが、それと同時にうまく完結編として全ての主要人物に一つの終わりを提示していて、2時間半も使っただけのことはあった。
この映画を見ていて、やはり考えてしまったのが、本編の内容以上に、本作がジェームズ・ガン最後のマーベル映画だったということだ。つまり、本作はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズにさよならを告げる物語であったと同時に、ガン監督がマーベルに別れを告げる物語でもあったということだ。これからDCのスーパーヒーロー映画の未来を担うことになるガンは、有終の美を飾ったと言える。
ついでに「クリープ」と言えば、
『ソーシャル・ネットワーク』の予告編でその曲のカバーが使われていたときの強烈な印象が今でも忘れられない。
*1:それゆえ『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』も『マイティ・ソー:ラブ&サンダー』も未見だし、当分は見ないと思う。『スーパーマリオブラザーズ』もスキップすると思う