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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

在宅鑑賞日記④ 『エブリシング・エブリウェア~』とミシェル・ヨーのカンフー映画 (前)

某日 公開初日に『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を見た。内容以前に約140分という長尺に少し恐れをなしていたのだが、長さはそこまで問題にならなかった。もちろん2時間弱にまとめてもらった方が楽しめたとは思うが、A24映画としてここまでの娯楽アクション映画が作られたことは極めてめでたいことだと思った。

 しかし、直接的なカンフー要素が後半どんどん薄れていき、最終的には拳ではなく優しさを!というところに着地する結末が自分の予想していた内容と異なっており、カンフー不足のまま劇場を出た。

某日 米のCriterion Channelで"Michelle Yeoh Kicks Ass"という素晴らしい特集が組まれていたので、そこから未見の作品を一つずつ見ていく。

某日 アン・ホイ監督の『スタントウーマン/夢の破片(かけら』(1996年)をまず見た。音楽が大友良英で、彼のキャリアが長くそして国際的であることを再認識して、自分の知識不足に少し恥ずかしくなった。ミシェル・ヨー本人の人生を想起させるような、映画製作の舞台裏を描いた作品で、唯一の女性のスタントとしてキャリアを築いていくことや、それと私生活との双方を成立させる難しさを描いた作品で、アクション一辺倒ではない。

 一辺倒ではないのだが、突如香港マフィアとのいざこざがあって、役者が本当に自分の戦闘能力を試される場面がいくつも出てくる。「カンフーアクション」はあくまでも映画内の話かと思いきや、生きるか死ぬかの問題に大きく関わってくるところが、半ば無茶苦茶だがそれが面白かった。

(つづく)