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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

新作映画の画面の暗さと色の問題

 『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』を鑑賞中、ほぼ完全な暗室で映画を見ているにもかかわらず、「画面が暗い・・・」と思うことが多々あった。これはもちろんこの映画に限った話ではもちろんない。そういったことが先日見た動画でも検証されていた。要するに、フィルムで撮るほかなかった時代と異なり、デジタルでの撮影技術が進んでいく中、かなり照明を落として映画を撮れるようになったことが大きいらしい。以前であれば、光があまり当たっていないところは黒くつぶれてしまうし、後からその暗い部分の復元は不可能である。しかし、今ではかなり照明を落としても撮影ができてしまうし、作り手の「攻めた画作り」が可能になったという。

 ただ、やはりそういった選択肢が生まれたからといって、それを毎度行うことが望ましいかどうかは別問題だろう。個人的には映画館なのにもかかわらず登場人物の顔があまり意味もなく見づらいのは勘弁してほしい。ノワールの投稿が先日増えたが、かつてのフィルム・ノワールはたしかに暗闇を描く映画ではあるが、それでも概してライティングは要所を抑えているので、画面の諸要素をはっきりと捉えることはできる。妙に感激してしまうことが少なくない。

 

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 そして次は色彩の問題である。これもアメコミ映画に顕著だが、なんだか全てが灰色っぽい画作りが主になって久しい。これも結局デジタル技術が進んで、カラーグレーディング、要するに撮影後の映像の色を調整することができるようになったことが大きいらしい。MCU映画も同じ色味に統一するようになったがゆえ、あの妙にグレーな感じの画面がどの映画にも当てはめられるようになってしまった。以下の記事では、決定的な単独の理由は挙げておらず、この技術の進化は一因でしかないようだ。いずれにせよ、一旦流行って定着してしまったものはそう簡単には変わらないようだ。www.vox.com

 

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