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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

未公開映画3本ウォッチ (Queen & Slim, Judas and the Black Messiah, The United States vs. Billie Holiday)

 アメリカの2月はBlack History Month(黒人歴史月間)とされており、各種ストリーミングのプラットフォームでも、本数はあまり多くないなりに、関連映画を紹介していることがある。そこで日本では未公開作品を3本挙げてみる。更新は随時します。

 

Queen & Slim (2019) Melina Matsoukas監督

Queen & Slim (#3 of 3): Extra Large Movie Poster Image ... 

 初デートで警察官を自己防衛として撃ってしまった黒人2人の逃避行を極めてスタイリッシュに描くロードムービー。2020年のオスカーでナタリー・ポートマンがレッドカーペットで羽織っていたケープに8人の女性監督の名前が刺繍されていたことをお覚えだろうか。その中でも本作だけがまだ日本で劇場公開もソフト化もされていない。素晴らしい作品だけに大変残念である。

eiga.com

 

 

Judas and the Black Messiah (2021) Shaka King監督

 ブラックパンサーの指導者の一人ながら、アメリカ政府に暗殺されたフレッド・ハンプトン(the Black Messiah,「黒人のメシア」)及びFBIの密告者であったウィリアム・オニール (Judas,「ユダ」)を描いたドラマ。アメリカでは2/12(金)から劇場公開と同時にHBO Maxにて配信中。

 前掲のQueen & Slimにも主演しているダニエル・カルーヤがフレッド・ハンプトンを演じている。なおかつ、本作は、アカデミーの賞レースにも関わってくるような注目作なので、もし日本で劇場公開が決まれば、その流れでQueen & SlimもDVDスルーくらいにはなるかもしれない。
www.imdb.com

 

 

The United States vs. Billie Holiday (2021) Lee Daniels監督

 こちらは伝説の黒人歌手ビリー・ホリデイの伝記映画(biopic)である。伝記映画でこういったタイトルになっている理由としては、原作がビリー・ホリデイの伝記ではなく、アメリカの「麻薬戦争」を描いたノンフィクションの一章分であるからだろう。しかも、脚色は現代アメリカ演劇を代表する劇作家・脚本家スーザン=ロリ・パークス、監督は『プレシャス』『大統領の執事の涙』などを手掛けたリー・ダニエルズと、かなり気合が入った作品であることが伺える。ボヘミアン・ラプソディ』のような典型的な伝記映画にはならなそうだ。

 アメリカでは予定されていた劇場公開は取りやめになり、Huluにて2/26(金)から配信開始される。そういう意味では日本でソフト化されるかどうかも怪しい気はするのだが、ぜひとも見てみたい作品だ。www.imdb.com