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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

『KCIA 南山の部長たち』

 

 『KCIA 南山の部長たち』を昨日観た。まだ起こってから半世紀も経っていない大統領の暗殺を、迫力のある実録サスペンスとして映画化したものである。本作は去年の韓国では興行収入1位だったらしい。しかも、今年度のアカデミー賞国際長編賞に韓国が出品した映画だ(昨年度は『パラサイト』)。

 『タクシー運転手』『1987、ある闘いの真実』『工作 黒金星と呼ばれた男』『国家が破産する日』『マルモイ ことばさがし』と韓国現代史を映画化したものは、ここ数年どれもとても面白いのだが、今回もものすごい映画になっていた。作品のトーンとしては、上記の映画の中だと『工作』が一番近いと思う。

 常に韓国政府がアメリカの顔色をうかがいながら、隠密に国内問題をもみ消してしまおうとする話なので、やはりたとえ外国映画でもアメリカが絡んでくる映画が好きであろう(『パラサイト』然り)アカデミーに韓国がこれを出したのも結構納得が行った。

 スティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」ならぬ「コリアンメン・イン・ワシントン&パリ」である本作において、アメリカもフランスもかなり重要な出来事が起こる場所である。ネタバレしない程度に言っておくと、ジャン=ピエール・メルヴィルの『仁義』を想起させるようなシーンがあってびっくりした。