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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

ヒッチコック&バーグマン 『汚名』『白い恐怖』

 

Notorious (1946). | Alfred hitchcock movies, Alfred hitchcock, HitchcockNotoriousAlfred Hitchcock: From A to Z

『汚名』(Notorious, 1946)(原題は「悪名高い」の意)
 
 ナチ・スパイ 対 ドイツからの亡命者(イングリット・バーグマン) & CIA (ケーリー・グラント)。個人的に、ケーリー・グラントに、スターとしてのオーラがものすごくあるの分かるのだが、『フィルデルフィア物語』や『シャレード』など、一応善玉なんだが底知れない闇を抱えてそうな人間で、本作でもイングリット・バーグマンが最後彼と一緒になってしまって大丈夫なのかと思ってしまった。
 
 
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Amazon.com: Spellbound Hitchcock Ingrid Bergman Gregory Peck Poster Mini  Print D: Posters & PrintsOpinion | Patriarchy Is Just a Spell - The New York TimesSpellbound: the movie that Salvador Dalí painted for Alfred Hitchcock –  Auralcrave

『白い恐怖』(Spellbound, 1945)(原題は「呪文で縛られた、うっとりとした」の意、トラウマおよび恋愛の両方を指していると考えられる)
 
 当時の精神分析学の立ち位置がある程度分かるという意味でとても興味深い。実際フロイトの言説がどこまで科学的だと言えるのか、あるいはどれだけ映画製作者たちが精神分析を理解していたのかという疑問は別として、「人間には、容易にアクセスできない「無意識」なるものがあって、普段から彼らの言動に多大なる影響を与えている」という考え方は今なお映画の中に埋め込まれており、40年代50年代の映画であればなおさらのことだと思う。
 主人公の分析医(イングリット・バーグマン)は患者にも嫌われるし、周りの男性医師にもあくまでも「女医」としか見なされていない。彼女が恋に落ちる記憶を失った男(グレゴリー・ペック)もつい「気取った女は嫌いだ」などと声を荒げるし、「感情的になって理性的に考えられていない」などと自分の師匠にも言われてしまう。どいつもこいつも酷い言いようなのだが、彼女は誰に何と言われようとも自分の仕事がしっかりとこなせる有能な存在であるがゆえ、無意識の分析者ないし探偵として見事に事件を解決できたのだ。  
 サルバドール・ダリも参加した夢のシーンは圧巻。もっと見たかったが、あくまでも夢なのでじっくり見ている訳にもいかない。