9月はまだ半分終わったところだが、ひとまず3点ほど気になった作品を挙げてみる。
映画:『もう終わりにしよう』("I'm Thinking on Ending Things"(2020); チャーリー・カウフマン監督)
なぜジェシー・バックリー演じる主人公の服装、職業、そして名前すら変わり続けるのか?なぜ心の声が恋人に聞こえてしまうのか?もう終わりにしよう、という言葉は実際のところ何を指しているのか?もちろんカウフマン脚色・監督作だけあって、オチの意外性のみに収束することなどはなく、今回も唯一無二のカウフマン・ワールドが展開しており、本作は絶望とわずかながらの希望が入り混じった傑作になっている。
i'm thinking of ending things | a film by Charlie Kaufman | Official Trailer | Netflix
映画:『幸せのまわり道』("A Beautiful Day in the Neighborhood"(2019); マリエン・ヘラー監督)
人気教育番組の司会者ミスター・ロジャースの取材仕事を、嫌々しようとする報道記者が、むしろ彼によって自分の傷ついた心を癒されていく. . .と紹介してしまうことはできる。たしかに心理描写はかなり丁寧だ。しかし、本作はその過程を、その教育番組の枠組み内で物語にしているし、終盤における主人公の悪夢描写も結構奇妙。心温まる話でありながら、語り口のエキセントリックさがなかなかいい味を出している。
A BEAUTIFUL DAY IN THE NEIGHBORHOOD - Official Trailer (HD)
ドラマ:MIU404
野木亜紀子脚本のTBSドラマと聞いては見る他ないと思い全話を見たが、やはり菅田将暉演じる謎のラスボスでかなり全ての話がタイトにまとまったと思う。菅田将暉のイメージといえば「殴る」「叫ぶ」の2択だと勝手に思っていたので(『ディストラクション・ベイビーズ』と『あゝ荒野』のせい)、殴らないしほとんど叫ばない悪役を見ることができたのはよかった。
星野源のオールナイトニッポン:映像付き〜MIU404スペシャル〜限定アフタートークも!!