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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

ニア・ダコスタ監督の名を覚えておく理由

今年の9月に『キャンディマン』がアメリカで公開予定だ。

この映画は、ジョーダン・ピールが『ゲット・アウト』の影響元の一つとして度々挙げている1992年のホラー映画『キャンディマン』の続編だということだ。

 そしてこの監督はニア・ダコスタという若手黒人女性監督で、2019年にLittle Woodsという、テッサ・トンプソンリリー・ジェームズが共演している映画で長編デビューしている。本作は、緊張感に満ちたスリラー要素のある映画である一方、ただ生きていることに必死で時には犯罪に手を染める人間を責め立てることはしない、温かみのあるドラマであるが、残念ながら日本では『ヘヴィ・ドライヴ』という完全にミスリーディングなタイトルで、DVDスルーされている。

 


Candyman - Official Trailer [HD]

 

 さらに特筆すべきは、ダコスタの次作は『キャプテン・マーベル』の続編だそうだ。つまり、マーベル作品ではじめて黒人女性が監督を務めるのだ。公開予定は2022年なので、ほぼ3年で3本の長編を撮るということになる。これから大いに期待できる監督だと思うので、まず『キャンディマン』が日本で公開されることを心から願っている。

 

言及した映画3本:

『キャンディマン』(1992年)-『ゲット・アウト』を見た流れで初めて観た映画だったが、かなり面白かった。ピール監督は自身の作品を「社会派スリラー」と称することが多いが、本作はまさしくそれに該当するような社会批評性を持った映画である一方で、ちゃんと結構ショッキングで怖い。


キャンディマン(字幕版) - Trailer

『ヘヴィ・ドライブ』ー たしかに内容は「ヘヴィ」だが、『ベイビー・ドライバー』のような迫力満点のカーチェイスやドンパチは一切ないし、サスペンスを過剰に煽るような演出をしないことに好感を持った。犯罪映画ではあるが、自宅の廊下、病院の受付などの場所でも十分に緊張感のある場面があった。


LITTLE WOODS Official Trailer (2019) Lily James, Tessa Thompson Movie HD

キャプテン・マーベル』ー 言わずと知れた大ヒット映画。本作の開始数分で、西部劇におけるカウボーイと、アメリカ先住民(いわゆる「インディアン」)との関係を想起したが、やはりその認識が間違っていなかったことは本編を見た人なら分かるはず。


映画『キャプテン・マーベル』本予告