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ポークとビーンズ

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

ありえたかもしれないもう一つの「スター・ウォーズ」 『ブリグズビー・ベア』

 2018年上半期に観た映画の中でも特に好きな映画は『パディントン2』だった。そして下半期はこの映画に決まりなんじゃないか、と鑑賞時、既に思っていた。どっちもクマ映画になってしまっているけれど、後者の方が現実そのもの以上にフィクションというものに対してかなり多くの示唆を与えてくれるのはたしかだろう。

ブリグズビー・ベア (字幕版)

 

 

 

 (この先は結末部分に触れています)

  すべからく映画秘宝の2018年のベスト10にランクインしていたこの映画に関して言いたいことはいろいろあるが、やはり一番気になったのは『スター・ウォーズ』との関連性だろう。帝国の支配から脱却するために、ルーク・スカイウォーカーが実の父親ダース・ベイダーを倒さなければならなかったという構造を踏まえれば、主人公カイルも自らを育てた偽の父親と対峙しなければ彼の心の平穏は訪れない、ということになる。 

 しかし、この映画は、単純に敵か味方かという構図を作り上げることを執拗に避けている。彼を外の世界から閉じ込めていたのは偽父であるが、その外の世界で生きる原動力を与えてくれたのも、偽父の生み出した「ブリグズビー・ベア」なのだし、最後は彼の声を吹き込まなければ作品は完成しえなかった。

 本作を観た当初、『最後のジェダイ』よりも、本作の方がよほどスターウォーズらしいと思った。完成した「ブリグズビーベア劇場版」に『新たなる希望』の趣を感じたし、マーク・ハミル演じる偽父テッドは「狂信的な教育者ルーク」として見ると納得が行った。しかし、そのころの自分は『スカイウォーカーの夜明け』がまだ生まれていない世界にいた訳で、奇妙だが味わい深い『最後のジェダイ』に対して勝手なことを言える贅沢を理解できていなかった. . .