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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

新型コロナウイルス関連記事まとめ「いかにこのパンデミックは終息するのか」

 新型コロナウイルス(COVID-19)に関する最近の英語記事の中で最もよかったと思う記事が米国The Atlantic紙の著名サイエンスライターEd Yongによる"How the Pandemic Will End"(いかにこのパンデミックは終息するのか)という記事です。

 各ニュースサイトから選りすぐりの長文の調査記事ないしノンフィクションの読みものを紹介するLongformの「今週の一本」(英語の記事をじっくり読むことに興味がある方にはとてもおすすめのニュースレター(メールマガジン)です)にも選出されています。

www.theatlantic.com

 その記事から印象に残った点をいくつかまとめてみました。ただし、主にアメリカの状況分析に関する点であることはご注意ください。

・本来であれば、今回の「パンデミック」のような事態に対するアメリカの「準備度」は世界最高水準。しかし今回のアメリカの対応(トランプ政権の対応)は遅きに失した。

・インフルエンザよりも致死率は高い

・タイトルにある通り、このパンデミックがどのように終わるのか、想定できるシナリオは以下の3つ。


1)世界各国が同時にウイルスの制圧に成功する→可能性は極めて低い


2)大勢が感染して、「集団免疫」をつける→大量の人々が死亡し、医療機関も崩壊しかねない点において、あまりにも代償が大きい


3)「モグラたたき」(集団感染が発生すればその都度ただちに対処する、という過程を何度も繰り返す)で時間かせぎ→最も時間がかかるしややこしい、ワクチンも開発に12から18か月かかるし、そこから大量生産して流通させるのはもっと時間がかかる
アメリカの場合、最低でもここ1年は残り続ける問題

 

・上記のシナリオについて考える上で重要な要素
a)季節性→これは不明、b)免疫の継続期間→2,3年くらいか?

 

アメリカ人の価値観と衝突するパンデミック 
個人主義、例外主義、抵抗として好きなことをするという考え方→外出してしまう
→中国で起こっている「対岸の火事」を「対岸」にとどめておけば大丈夫だ、という発想→いざウイルスが到来したときに露呈した国の脆弱性

 

・9.11後、アメリカはテロリズムに注目し続けてきたが、今やそれが公衆衛生へとシフトするかもしれない。こういった事態の可能性を重要視せず、民主も共和党も予算を削ってきたことが響いた 

 

 本文はもっと微に入り細を穿つような文章になっていますが、それでいてとても読みやすいです。素人と専門家とをつなぐサイエンスライターの面目躍如といったところでしょうか。ちなみに筆者Ed Yongのニュースレターはこちらです。

tinyletter.com