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アメリカンに映画を観る!

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バンドCCRと映画とテイラー・スウィフト

 自分の特に好きなバンドにCreedence Clearwater Revival (CCR)というバンドがある。60年代後半から70年代前半にかけて、ものすごいペースでアルバムをリリースし、次から次へとヒット曲を連発し、そしてあっという間に解散していったバンドだ。彼らの特色は、アメリカ南部的なカントリーやブルースを取り込んだ泥臭いサウンドだったのだが、実は彼らはカリフォルニア出身のバンド。南でなく西だったのだ。南部アクセントで歌っていたメインボーカルも、憧れゆえに真似ただけのことらしい。そんな衝撃の事実を最近まで知らなかった。

 ここ一、二年で観た映画によくCCRの音楽が使われている気がする。この間見た『ジュラシック・ワールド 炎の王国』でもCCRの"Don't Look Now"という曲が、バーでの場面で流れていた(らしい)。

 


Creedence Clearwater Revival: Don't Look Now

 傑作怪獣映画『キングコング:髑髏島の巨神』でもCCRの"Run through the Jungle"(ジャングル探検の映画なのでそのまんま)がかかっていたし、チンピラ同士がただ倉庫で撃ち合いまくる、というシンプルな設定の快作『フリー・ファイアー』でも同曲が使われていた。どちらも70年代設定の作品なので、(ほぼ)同時代の音楽を使うのは自然なことなのだろう。


Creedence Clearwater Revival: Run Through The Jungle

 こうやってアメリカ内でも模倣された別のアメリカ性(西海岸→南部)が時代を超えて、2010年代後半の映画に使われ、70年代当時のイメージが再生産されていく。それがいいことなのか悪いことなのかは別として。

 で、何でこの投稿のタイトルにテイラー・スウィフトと書いているのかというと、彼女も元からカントリー音楽の聖地と言えるテネシー州ナッシュビルの出身だった訳ではなかったから。生まれも育ちもペンシルベニア州ニューヨーク州と隣接している)だった彼女はカントリー・ミュージックへの憧れから、ナッシュビルに引っ越したらしい。”Welcome to New York!"なんて2014年に歌っていたことにーつまり本人は生粋のニューヨーカーではないのにもかかわらず、いつのまにかニューカマーを迎え入れる側についていたこと、まあ例えば東京においても似たようなことはあると思いますがー違和感がすごくあったのだが、よくよく考えてみれば、生まれ故郷にむしろ少し近づいていたのだった。

 一応補足しておくと、彼女の音楽スタイルは当初はごりごりのカントリーで、徐々にロック、ポップ化して今に至る。若くしてカントリー・シンガーとして有名になった彼女だからこそ、ここまでの変遷がファンにとって興味深く映っていたのだろう、と邪推してしまう。

 『アトミック・ブロンド』で緊張感ある分断されたベルリンの街と80年代のポップ・ヒッツという組み合わせがあったが、分断されたトランプ政権のアメリカを描く映画を作る上で、テイラー・スウィフトの音楽はどんな役割を果たすのだろうか。