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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

ベイマックス Big Hero 6 感想・解説

BIG HERO6 ベイマックス

 またもやディズニーが傑作を作った!去年観ていれば、間違いなくトップ10に入れてたであろう出来だったと思う。

 プロット自体にはそこまで新鮮味があるわけではない。でも、娯楽映画に必要とされるものを惜しみなく詰め込んだ感がある。アクションもユーモアも感動も無理のない形で盛り込まれている。圧巻。

 舞台がサンフランシスコと東京のミックスになっているので、敵が“カブキマン(そういうB級映画は実際あったようだが)”だし、ベイマックスの空手シーンも、ドラゴンボールの“フュージョン!”のシーンが入っていたりして、くすっとくる。

 実は憎悪の連鎖についても触れていたのは意外だった。このテーマを真剣に扱ったのが、”LOOPER/ルーパー”なのだが、そこまで重い気はしない。

 日本の宣伝では、どうも“いかに優しさでもって=非暴力的に敵を倒すか”という要素が協調されているが、そういう話ではないのは見れば分かる。でも、敵自体は殴れないのは、結構バトルシーンを正当化する上で重要なキーだ。

 他のアメコミ映画を想起した。豪邸の周りで、超能力の練習をしているシーンは、”X-MENファーストジェネレーション”さながらだし、あの終盤の感動シーンは、”スパイダーマン2”を連想させる(ドクター・オクトパスのところ・・・とでも言えばいいでしょうか)。それだけ、子供も、子供の心を忘れない大人たちも楽しめる内容になっている証拠だろう。

 感動シーンが、実はロケットパンチだったのは驚きだった。こういう驚きは観ている側からしても非常に有難い。”きっと、星のせいじゃない。”の一番の泣かせ所は、実は数学の無限論の話だったりするのと似ている。

 最後に軽く名前に関して触れておくが、何故主人公の兄弟の名前はヒロとタダシなのか?HiroはおそらくHeroのもじりで、タダシは“正”、つまり正義をもたらす者だったんだろう。すなわち、タダシは、人の役に立つベイマックスを作り、ヒーローとしてヒロは自らの正義を、紆余曲折を経て全うすることになったのだろう。

 

 

 

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