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アメリカンに映画を観る!

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私家版ロバート・ゼメキス論~彼の作品に底通するものとは?

 この前、BSプレミアムで『コンタクト』を観ていて、様々な映画を手がけてきた監督ロバート・ゼメキスに反復されるテーマがあるように思えた。

 端的に言えば、非日常の経験(死と再生の象徴)を経て、彼らが疎外の対象となるということ。

 ここから、『コンタクト』『キャスト・アウェイ』の核心に触れうる箇所が登場します。あしからず。

 

 例えば、『フライト』(2012)だと、主人公のパイロット、ウィップ(デンゼル・ワシントン)は飛行機事故を経験する。それは、自らの死と極めて隣合わせだった出来事であって、それを通じて彼は一旦象徴的に”死ぬこと”になる。彼は日常に耐えられなくなり、いわゆる普通の人には戻れなくなっていく。世間からはどんどん離れていってしまう。

 『コンタクト』(1997)の場合でも、主人公のエリー(ジョディー・フォスター)は宇宙へと旅立つのだが、公的な場でその信憑性は否定されてしまう。いわば、彼女は一旦別世界へと行ったことで、もはや生まれ変わった人間として、元の状態には戻れなくなっている。

 『キャスト・アウェイ』(2000)が、この定型の最たる例かもしれない。無人島で一人生き残った主人公が、いざアメリカ本土へ生還したと思いきや、妻にはもはや死んだと思われていた(無理もないのだが)。まさしく、死人が蘇った、という状況が作り出されている。お互いに愛してはいるのだが、もう飛行機の墜落事故(これも反復されるモチーフだ)以前の二人には戻れなくなってしまう。

 非日常の経験といえば、バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズほど分かりやすい例はない。過去・未来へと行き、自分の人生をがらりと変えてしまう。自分の生死まで操作せねばならぬ事態にまで遭遇する。

 個人的に、ロバート・ゼメキス作品で面白いのは、人間ドラマが濃密であることはもちろん、各々の物語の本質は、クライマックスにあるのではなく、その後にあるということだ。そこから、主人公たちは自分の内面を探っていき、自分の力で一筋の希望を見出していく。いかにもアメリカらしいドラマが展開するのだ。つまり、疎外されつつも、最後は自らで道を開いていく(それが万人にとってのハッピーエンドとは限らない)のがゼメキス節なのだ。