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アメリカンに映画を観る!

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トランセンデンス~イブリンの「罪と罰」

 ロードショーでトランセンデンスを鑑賞。

 率直な感想としては、評価が非常に分かれたのも理解できるが、それはこの映画に対する見方を変えてやればいいのかなと思えた。

 人工知能PINNの開発研究に没頭するも、反テクノロジーを叫ぶ過激派グループRIFTに銃撃されて命を落としてしまった科学者ウィル(ジョニー・デップ)。だが、妻エヴリン(レベッカ・ホール)の手によって彼の頭脳と意識は、死の間際にPINNへとアップロードされていた。ウィルと融合したPINNは超高速の処理能力を見せ始め、軍事機密、金融、政治、個人情報など、ありとあらゆるデータを手に入れていくようになる。やがて、その進化は人類の想像を超えるレベルにまで達してしまう。(シネマトゥデイより:http://www.cinematoday.jp/movie/T0016136

 

 端的に言えば、この作品は、人工知能の暴走と、それを食い止めようとする人類という、割とよくあるパターンをなぞってはいるものの、そのままその枠組みに入らないところがある。

 例えば、『ターミネーター』シリーズで人類の敵となるスカイネットや、キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』のHAL9000(プログラムから逸脱して宇宙船内で反乱を起こしたらとされている)とは異なるのである。

 これは 人工知能  vs 人類という構図というよりも(もちろん壮絶な戦いはあるのだが)、ジョニーデップ演じるウィル・キャスターを愛するがゆえ、彼を人工知能という形で甦らせてしまったイブリン・キャスターを中心とする(むしろ彼女が主人公と言っても過言ではない)非常にパーソナルな問題なのだ。

 初めは、ウィルを取り戻したと歓喜に湧くイブリンであるが、彼女の手にも負えないほどの能力を持ってしまったウィルの進歩に、彼女は同意できなくなってくる。そこに、彼女の「罪と罰」がある。

 しかも、実はマックスという、イブリンに好意を抱いていた(ウィル亡き後も抱いている)、キャスター夫人の友人である存在が、イブリンをウィルという危険な存在から引き離そうとしている。ただ、ウィルは、地球を乗っ取るだけの能力を有している(詳細はあえて言わないが)。それゆえ、なかなか引き離すことは出来ない。それゆえに、強硬手段を取ることになる。

 このように見てみると、これは三角関係という男女のパーソナルな問題が、グローバルな問題にまでに及んでいるという構造になっている。個人の存在が集団内に没入してしまいがちなSFものとは実はかなり異なっている。

 そうしてみると、この映画は、予告編から想像する内容と幾分ずれてくるかもしれないが、先述したような見方から考えてみるべき映画なのかもしれない。(もっと哲学的な問題はあろうことは承知している)

 最後に、この映画における、注目点を紹介しておきたい。

 冒頭から、繰り返し出てくる、水滴がポタリと落ちるシーンがある。これはランダムに雰囲気作りのために登場しているのではない。この象徴的意味を考えながら、見てみるのも一つの見方である。

(ちなみに、字幕版であるにもかかわらず、最初のシーンだけ日本語吹き替えになってましたが、そこからはずっと字幕なので心配しないで下さい 笑)


映画『トランセンデンス』本予告解禁 - YouTube

 

 

 

(ネタバレを含む考察は後日投稿したいと思います)