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アメリカンに映画を観る!--- 洋画見聞録

主にアメリカ映画・文化について書きます。たまに関係なさそうな話題も。

サスペンス

まさかの"Somebody That I Used to Know" 『ザ・ガーディアン/守護者』 

思いがけない形で、とても懐かしい曲を映画館で聞くことになった。 "Somebody That I Used to Know"である。2011年の曲なので、10年以上も前のヒットだということで驚いた。『ザ・ガーディアン/守護者』という韓国映画でこの曲がいわばライトモチーフとして…

2023年の映画ベスト10

2023年のベスト10は、 ①バービー ②パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女 ③別れる決心 ④フェイブルマンズ ⑤ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい ⑥ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー ⑦SHE SAID/シー・セッド その名を暴け ⑧Blue Giant ⑨スパイダーマン:アク…

2023年10月の3点

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(マーティン・スコセッシ監督、アメリカ) 20世紀の白人による先住民の簒奪に迫る題材、200分を超える長尺、Apple配信映画としては珍しい劇場公開といった要素が揃う映画もなかなかないだろうし、本編自体に引き込ま…

皮肉たっぷりに描かれるヒットマンの生活『ザ・キラー』

デイビッド・フィンチャー監督の『ザ・キラー』をネットフリックス配信前に劇場で見た。マイケル・ファスベンダー演じる殺し屋がパリでの仕事に失敗したために自分の隠れ家にいたパートナーが襲われてしまう。そのカタをつけるべく彼は世界中を飛び回って問…

在宅鑑賞日記 ⑥ 配信スルー映画を見て考えるジャンル論

某日 いつの間にか配信スルーになっていた『BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ』(2023年)を見た。嵐の夜に20代の若者たちが"Bodies Bodies Bodies"(bodyは死体の意)というゲームを行っていたら、本当に死人が出てしまう、という映…

【11月はノワール月間 #noirvember】② 『クリムゾン・キモノ』(1959)

tinyletter.com アメリカの批評家Angelica Jade Bastienのニュースレターにて紹介されていた異色のノワールということで見てみたが、とても面白かった。 Noir is an exceedingly fascinating, rich genre to use toward interrogating race. This holds true…

【11月はノワール月間 #noirvember】①『ローラ殺人事件』(1944)  

11月は #noirvember (noir+november) ということで先日オットー・プレミンジャー監督の『ローラ殺人事件』再見。noirvemberの提唱者でもあるMarya E. Gatesが米国ラジオ局のNPRのインタビューにて指摘するように、紛れもなくノワールでありながら、ファム・…

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』相互反応する漫画と映画(ネタバレあり)

一応忘備録として映画レビュー用SNSのLetterboxdに2021年度映画鑑賞作に暫定的なランキングをつけているのだが、9月末時点でトップ3にあるのが、『ドライブ・マイ・カー』『先生、私の隣に座っていただけませんか?』『サマーフィルムにのって』の邦画3本だ…

2018年の映画総括 下半期 (ブリグズビー、ボルグ/マッケンロー、サーチ、1987など)

下半期の映画について。 前回の投稿に続き、まず2018年の映画ではない話からになってしまう。去年公開の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、「賛否両論」という表現が付きまとう映画だった、と個人的には記憶している。その「否」の意見が、建設的な批…

『カメラを止めるな!』を語ることとは (ネタバレなし)

よくゾンビ映画は人種、経済格差など、社会問題を映し出す鏡として語られることがある。その論理でいくとゾンビ映画を語ることは、現在の社会を語ることになる。 同様に、『カメラを止めるな!』を語ることは、映画そのもののあり方を語ることになる。映画に…

プーチンが観た『博士の異常な愛情』

オリバー・ストーン監督と言えば、『プラトーン』(1986年)を筆頭に社会派映画を次々と作り出す名監督で、筆者も好きな映画は何本もある。ただ、最近彼がプーチン大統領に取材した映像がドキュメンタリーになったことに対して、懸念の声が聞かれるようになっ…

『ナイトクローラー』とメディア

念願の『ナイトクローラー』を観てきた。驚くべきことでもないが、随分遅い日本での上映だ。 あらすじはジェイク・ギレンホール演じる若者ルー・ブルームが、職を求めて、ロスで犯罪現場の映像をいち早く自分で撮影することになるが、より過激な映像、視聴者…

羊たちの沈黙 分析・解説 The Silence of the Lambs

羊たちの沈黙は、見る者を釘付けにするような良作のサスペンス映画だと思う。 今回は、表層的な話とは別にフェミニズム的な観点(要は女性目線)から映画を分析したい。 (参考:現代アメリカ映画入門) FBIアカデミーの優秀な訓練生クラリスは連続誘拐殺人…

”物書きスランプ”もののススメ

昨日、『セブン・サイコパス』を観て確信したのだけれど、 Writer's blockものは、ほぼ外れない。Writer's blockもの、つまり物書きが全く書けなくなって悪戦苦闘する話。 一つは、映画の中で、映画の脚本があーでもない、こーでもないと悩む姿が、入れ子構…

2014年個人ベスト~”狼”から”酔っ払い”まで

いつのまにか2015年になってしまいました・・・ということで、過ぎ去りし日々を回想しつつ、個人ベスト(映画館にて鑑賞したもののみ)を5本ほどあげてみます。 1位『ウルフ・オブ・ウォールストリート』 ドラマ・サスペンス映画ももちろんいいのです…

恐怖の報酬~アメリカン・ニューシネマ的ロードムービーとして観る

『恐怖の報酬』(英:The Wages of Fear、仏:Le Salaire de la Peur;1953年)を大分前に午前十時の映画祭で見た。 恐怖の報酬 HDニューマスター版 [DVD] 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2011/05/28 メディア: DVD クリック: 3回 この商品を含むブロ…

行方不明映画の元祖?ヒッチコック『バルカン超特急』

なんと、『バルカン超特急』は、1938年の映画。 80年近く前の映画だが、その魅力が衰えることはなかろう。 国際列車に同席していた婦人が突如消えてしまうが、周りの人間は彼女の存在を否定。彼女は元からいなかったことになっていることが発覚する。…